バントラインとストルバイト結晶


page1

page2

page3

ストルバイト結晶の一般的なデータや詳細は専門サイトなどを検索してください。
ここではあくまでその実例のひとつとしてバントラインのケースを御紹介します。

2004/02/04
発症は突然でした。
日中はいつも通り寝くたれて、夕食の焼き魚もいつも通りに相伴し
(つまり食欲も普段と変わりませんでした)
その後おもむろにトイレに向かったバントラインが
いきなり妙な鳴き声とともにトイレから飛び出してきました。
さらに部屋中を走り回り、またトイレへ駆け込むんですが
やはり飛び出してくるという、その繰り返し。
あわてて一緒にトイレについていくと
どうやら尿がほとんど出ない状態でパニックになっていた様子。
実際、ほんの数滴しか出ていませんでした。
(ちなみに色は正常で、血尿ではなかったです)

とにかくバントラインのそのただならぬ様子に人間もややパニックに。
(ピースメーカーだけは「遊んでいる」と勘違いして喜んでいましたが)
ネットで検索してみて結構重大な事態だとわかり
夜間診療のある獣医に持っていったところ
最も危険な状態である「膀胱に尿がたまっている」形跡はないとのこと、
バンちゃんもだいぶ落ちついてきていたので
とりあえず抗生物質を注射して貰い帰宅しました。

2004/02/05
朝、やはり尿は数滴しか出なかったのですがそれを採取して行きつけの獣医に。
尿検査と超音波エコーで膀胱の様子を調べ
ストルバイト結晶であることを確認、すぐに膀胱洗浄(入院)です。

尿検査ではわずかながら尿に潜血もありましたが、
感染症などの徴候はなく、これは昨夜トイレで踏ん張った時に
結晶が尿道を傷つけたのではないかということでした。
それでも閉塞するよりはマシです。
バントラインの場合はまだ細かい「結晶」でしたが
症状が進むと結晶同士がくっつき、大きい「結石」になります。
そうなると尿道閉塞を起こしやすくなり、膀胱に尿がたまると
尿毒症、腎不全を併発し、数日で死んでしまうこともあります。

半身麻酔の後、カテーテルを尿道から膀胱内に通し
さらに外れないようにカテーテルをペニスに縫合します。
すでに膀胱内にできている結晶を流し出すために
強制的に尿を排出させる状態にするわけです。

2004/02/06
入院中のバントラインの様子は上記のとおり。
本当に無謀で器用な猫です。
医者も驚いていました…とほほ。

入院中から食事はすでに療養食ですがよく食べるとのことで安心。
カテーテルを再度つけ直し皮下輸液を行ない(水分補給)
もう1日膀胱洗浄を続けます。よって入院続行。

2004/02/07
途中2度もカテーテル引っこ抜きがありましたが
3日間の膀胱洗浄の結果、結晶はほとんどなくなりました。
皮下輸液を行なった後、二週間分の飲み薬と療養食を貰って退院、帰宅です。
バントラインがいない間、どことなく寂しげに
あちこちを見て回っていたピースメーカーもきっと大喜び…
…と思ったら、薬剤のニオイと入院中に他猫のニオイがついたせいか
なんとバントラインを威嚇しまくり。
こやつ、何様。
しかしバントラインはまったく意に介してない様子で
やはり家だと安心するのか、いつものクッションでさっそく寝くたれ。
ペニス縫合があったということはつまりはケガしているわけで
すぐにはお風呂に入れてやることができず、そのため
ニオイがかなり薄れるまでピースはバントラインを警戒していました。
ピースはちょっと頭が悪いかもしれない…。

その後
絶対に口を開けない猫に薬を飲ませるのには苦労しました。
逆に私の指に穴が開きましたよ。牙で。
療養食も、病院ではバクバク食べていたという話なのに家では食べない。
他に美味しいエサがあるとわかっているんですな。
元々太り気味なので、この際ダイエット!とばかりに猫と根比べです。
と、目を離すといつのまにかピースが療養食をバクバク食べていたり。
多頭飼いはこういう時よけいな苦労をしてしまいます。

カテーテル引っこ抜きのせいで膀胱に傷がついたのか
最初のうちは尿も少なくややつらそうでしたが、徐々に快復。
薬、療養食ともに1ヶ月間で終わりました。
現在はすっかり元気で、ピースとおいかけっこ(及びプロレス)してます。


実はストルバイト結石は1〜6歳ほどの若い猫がかかる病気で
バントラインのような高齢(12歳)猫で発症するのは珍しいです。
原因は摂取する水量の不足や食事(キャットフード)にあると言われています。
そういやバントラインの食事はずっとサイエンスダイエット「ライト」だったのを
ピースが来てから(経済的理由により)特売のキャットフードに切り替えたのでした…
でもってその「ピースが来てから」約2年。
ぎく。
発症時期が年齢的には合ってないけど食事の種類的には合ってます。
もしかして本当に食事のせいだった?
獣医にも真っ先にキャットフードの種類を問われたし。

必ずしも特売キャットフードのせいではないでしょうけど
うちに限って言えば他に思い当たるフシがなかったので
すぐにサイエンスダイエット「ライト」に戻しました。
普段からお高いエサを与えるか
それとも安いエサで数年置きに高い治療費を支払うかという
究極の選択を強いられ、前者を選びました。
経済的にはあまり変わらないでしょう、
しかし精神的には前者の方が圧倒的にいいです。
まーどうせピースも太り気味だしな…2匹ともでぶ猫用の「ライト」じゃ。
肥満はストルバイト結晶のみならず、あらゆる病気の原因になるので
その点も改善です。1日の食事量をきっちり計って与えるようにしました。
(バントラインはそろそろ「シニア」かもしれないがこれはもうしばらく様子見)


飼い猫の健康管理は飼い主にしかできません。
バントラインの発症も、普段からよく注意していれば
もしかしたらもっと早期に発見できたかもと思います。
そしたら膀胱洗浄などせずに食餌療法だけですんでいたかもしれません。
幸い完治しましたが、やはり少々悔いが残ります。

猫を飼っている皆さん、どうか猫を大切に。
あなたの猫はあなたを信じています。
愛しています。
あなたが思う以上に。

あなたの猫はあなたに命を捧げています。